学会長挨拶

近年の科学、情報技術の進捗は著しく、中でも公共的施設等に関わる技術の進歩には目を見張るものがあります。
身近なものでは、地球温暖化、環境負荷低減対策等々が挙げられますが、しかし現代社会が取り組まなければならない課題は、今後ますます増加の一途を辿ることが予想されます。一方、これら課題を抱えながらも、我が国は急激な少子高齢化時代に突入し、若手技術者不足という新たな課題に直面しています。
これまでの歴史を顧みても、悲観的な要素に対しての対応力の素早さ、特に「ものづくり」等々に見られた技術力、旺盛なチャレンジ精神をもってすれば課題克服は可能となるものと思われます。そのためには、これらを繋げる仲介機関が必要です。
これからの社会を支えていく使命を担う多くの若者が、現代の価値観やニーズに沿って成長していく過程で、当学会を一つの「きっかけ」として利用してほしい。
そのため、これらの主旨に賛同する各界の有志が集まり、目的達成のため「工学振興共 立学会」を設立いたします。
本会では、大学教員をはじめとして、小中高校の教員、「ものづくり」や「生活インフラ」を支える企業の力を結集し、技術力や技術者継承のための共有発信に努めてまいります。また、「ものづくりイベント」等の開催を通じ、若い技術者が何かを創る喜びを知るきっかけづくりとして、また、地域コミュニティの中核化、地域から世界へ向かっての発信基地として、役割を担えると確信します。
新しい試みに挑戦することは、多くの問題を生じることと承知しておりますが、「ものづくり」の心と技術力の継承のため、従来の固定観念を超えた、誰でも情報集約ができ、発信ができる学会、地方から世界へ向かって情報発信できる身近な学会として、ご賛同、ご支援をいただけますよう心よりお願い申し上げます。

田中 光徳 工学博士

工学振興共立学会会長

田中 光徳(工学博士)

Mitsunori Tanaka He received B E degree in 1966 from Kinki University, Japan, Ph.D. degree in 2005.
He was with Kinki University Techinical College from 1966 to 1975.
He was with Kokudo-Kaihatsu, Co., Ltd. from 1975 to 1976.
He is a professor till now in Daiichi Institute of Technology in 2012.
His research field is on Civil and Environmental Engineering.

学会設立の趣意

国力とは何であろうか。土地、鉱物は天然の潜在的財産であるが、それが現実的な財産になるとは限らない。土地が肥沃で、資源も豊富であるが、その国力は極めて貧弱である国家も存在する。これに対して、日本は資源に乏しいが、しかし偉大な国力を持つ国の一つである。決して天然資源と国力との間に、直接的な関係がないことが言える。では人口についても国力に直接には関係していない。世界でも人口の多い国々をご覧になっても依然として発展の途上であり国力に直接は関係していない。昨今の日本の少子化は問題であるがやすやすと卑屈になる必要もない。日本の今昔をともに考えて未来を開いていただきたい。
東方の果ての地に存在しながらも古代より物事と調和して生活してきた。四方八方の人々も行きかい様々な文化・歴史・宗教・技術を融合してきた。技術においては、出雲大社の発掘で巨大な柱も見つかった。現代工学でも難関である巨大構造物の建設がうかがえる。また、石工に関しても地震大国のせいであろうか主に土木分野に使われた。石垣や石橋の技術は紙一枚入らないほど緻密であったと言われている。近代化の流れを遅くは受けたが、蒸気機関、その後の飛行機技術、リニア技術と培ってきた匠の技術は衰えることはなった。今に捕らわれることなくまずは歴史を知ることも有益ではないだろうか。誇りを知ることで工学、ものづくりの気運を醸成しなければならい。
学会設置の目的として、ミクロな論点、限られた視点、大多数の意見への同参でもなく、貴重なものと判断されたものはすべからず取り挙げる。世論や大に迎合する観点、論点、成果もよろしいが、従来見たかった、本来知りたかった、ごく一部でも有益だと確信えた情報を精査し発信し議論する場となりたい。新たな発見、新技術の報告、地域材料の評価、ものづくり教育の実践や評価方法の提案と工学振興に関する投稿原稿を広く受け入れたい。また、工学以外においても、社会・経済的な事象、文化・歴史的事象、スポーツ・芸術・医療・保健等の事象、さらに地域イベント行事、国際関連等の事象、いずれにしても世の中に有益であると判断される投稿原稿については大歓迎したい。
最後に、ものづくりは人づくりと名言を残された恩師がおられる。ものづくりは人づくり、それは大から小人まではいずれかの場所でものづくりに触れてその意義を見出す。意義あるものづくりに触れて生活する。そのことで、個々から家族、家族から地域、地域から国家へ、精神、伝統、文化が受け継がれる。豊かな国家の助力となること。そのような夢を趣意とする。

工学振興共立学会 理事

難波 礼治 博士(工学)

会則

本会は、工学振興共立学会(Kyoritsu Society for the Advancement of Engineering) と称する(以下「本会」)。
本会の冠する「共立」は、教職員、企業で働くエンジニア・職人・ 職員、それを構成する企業体、そのほか賛同頂いた多くの個人や機関・団体での共立運営を 意味している。新たな発見、新技術の報告、地域材料の評価、ものづくり教育の実践や評価 方法の提案と工学振興に関する投稿原稿を広く受け入れたい。
また、工学以外においても、 社会・経済的な事象、文化・歴史的事象、スポーツ・芸術・医療・保健等の事象、さらに地 域イベント行事、国際関連等の事象、いずれにしても世の中に有益であると判断される投稿 原稿については大歓迎したい。ミクロ・マクロ問わず、有益だと確信された情報を精査し展 開したい。

投稿原稿執筆/掲載について

学会会員